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対局中、棋士に抜き打ち持ち物検査 AI不正対策で囲碁の日本棋院
【2021年9月23日(金) 朝日新聞(大出公二)】
 囲碁の日本棋院は23日、棋士がAI(人工知能)を使って不正に着手するのを防ぐため、対局中の棋士に対してスマホなどの電子機器を持っていないか、抜き打ちで身体・手荷物検査を初めて実施した。トップ棋士を超越する棋力を持つAIの出現により、棋界では棋士のAI不正使用が危惧されており、棋院は抑止効果を期待して最も厳しい措置を打ち出した。抜き打ち検査は東京・市ケ谷の日本棋院で実施。午後0時半、昼食休憩が終わって対局再開のブザーが鳴ると同時に、棋院の職員たちが一斉に対局室の一室に入り、抜き打ち検査する旨を告げた。室内で打たれている8局、16人の棋士の対局時計を止め、金属探知機を用いて身体・手荷物検査をした。電子機器は見つからず、検査はおよそ10分で終了し、対局は再開された。今後も不定期に実施するという。棋院はこれまでAI対策として、対局中に電子機器を使用している棋士は、判明した時点で反則負けとする規定をつくった。対局前に所定のロッカーに預けることを定め、昼食・夕食休憩時の外出も禁止した。これに加えて8月、対局中の使用のみならず所持だけでも即反則負けとするよう規定を改定し、今回の抜き打ち検査に至った。棋院常務理事で棋士でもある青木喜久代八段はこの日、自ら金属探知機を手に同僚棋士を調べた。「本当にいやな仕事。できたらやりたくないが、やむを得ない」と話した。国内のプロ棋戦でAIの不正使用は確認されていないが、韓国では昨年のネット棋戦で発覚し、不正を犯した棋士は1年間の対局停止処分を受けている。


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