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第四十四手「囲碁と今年の振り返り@」「碁」for it 小野慎吾
【2021年12月9日(木) 日刊新周南
 この一年の囲碁界のニュースを振り返りたいと思います。日本のプロ囲碁界では、井山裕太九段が3冠以上を保持しており、トッププロ棋士を続けています。追走するのは一力遼九段、芝野虎丸九段、許家元九段でそれぞれタイトルを保持しています。井山プロは30歳を超えていますが、上記3名はまだ20代前半で勢いがあるといっていいでしょう。来年以降、日本のプロ囲碁界のタイトルがどのように移動するかが今から楽しみです。一方では、囲碁AIの普及が更に進み、プロの対局では時折抜き打ちで携帯・電子機器を対局場所に持って行っていないかをチェックされるようになりました。また一方では、対局場所にネット囲碁を使用される頻度も増えています。上記AIによる不正の監視方法などが更に厳格になっていく事が予想されます。アマチュア囲碁界においては、一般の部で大きな全国大会が二つ開催されました。小学生・中学生・高校生の全国大会はほぼ全ての全国大会が行われ、「例年」に戻ったといっても過言ではありません。ただ一方では、世界中のアマチュアで戦う「世界アマ囲碁選手権」「国際アマチュア・ペア碁選手権大会」等のグローバルな大会は昨年より中止が続いています。来年こそは、世界の皆さんが一堂に会する大会が再開される事が切望されています。山口県の囲碁界でも様々な動きがありました。特に懸念されるのが大きな囲碁大会を行う場合の「場所」の確保です。山口県は他県と比べて囲碁愛好家向けの大会が多く開かれています。主要大会だけでも6大会あります。他にも市・支部で行われる大会は10大会近くあり、山口県の囲碁愛好家は毎週どの大会に出場しようかというくらいの贅沢な悩みになります。今年は上記大会の内、半分以下が開催されました。コロナの影響はさる事ながら「場所」のキャパシティの問題で開けなかった大会もあるように伺っています。囲碁を楽しむ「碁会所」自体の数も年々減っており、これらは緊急の課題と捉えられています。また、大会等を企画・運営する人員についても「高齢化」は進んでいます。山口県内で1年に数度、各市の支部が集い今年の大会運営を協議する会議があります。筆者は2年前よりそちらの役員を務めさせて頂いております。周りの諸先輩方々は「70歳以上」の方が大半です。筆者は40歳手前ですが「最年少」です。今後は30〜40歳代の若い世代で運営に携われる方が必要になってくると思います。次回は周南市内での今年の囲碁振り返りを中心に紹介して行きます。


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