初防衛へ許家元十段が先勝 大和ハウス杯囲碁十段戦第1局 |
【2022年3月1日(火) 産経新聞】 囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第60期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第1局が1日午前9時半から大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時33分、許家元(きょかげん)十段(24)が238手までで、初の七大タイトル奪取を狙う余正麒(よせいき)八段(26)に黒番半目勝ちし、初防衛に向け白星発進した。持ち時間各3時間で残りはともに1分。第2局は23日に滋賀県長浜市の「ホテル&リゾーツ長浜」で行われる。第1局は両者が日ごろの研究を披露するかのように考慮時間をほぼ使わず着手し、正午までに90手の超速進行に。白52が余八段の積極的な打ち方で、白64まで思い描いた展開になった。左下黒63、65から反撃。中央黒105まで下辺は黒地が多くなり、中央も厚くなった許がペースをつかんだ。上辺白114と黒にプレッシャーをかけた手に対して、黒115が許の冷静な対応。立会人の山田規三生九段が「両者とも大きなミスのない、高いレベルの内容」と振り返った接戦は、許が逃げ切り勝ちした。対局後、許十段は「序盤は構想通りだったが、勝つことができたのは運が良かった」、余八段は「勉強しなおして、第2局に臨みたい」とそれぞれ話した。
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