一力遼棋聖敗れ3連敗 本因坊戦第3局 |
【2022年6月2日(木) 河北新報】 囲碁の井山裕太本因坊(33)に仙台市出身の一力遼棋聖(24)が挑戦している第77期本因坊戦7番勝負(毎日新聞社主催)の第3局が2日、前日に続いて長野県高山村で打たれ、井山本因坊が259手で黒番中押し勝ちし、3連勝で11連覇に王手をかけた。持ち時間各8時間のうち消費時間は井山本因坊が7時間58分、一力棋聖が7時間59分。第4局は11、12の両日、福岡県太宰府市で開催される。立会人は趙治勲九段。
■ヨセで失速、終盤に課題
【解説】出だしから最強手の応酬が続き、中盤で一力棋聖がポイントを挙げたが、ヨセで失速、終盤の精度に課題を残す結果となった。黒番の井山本因坊が13手目に右下三々に入り、黒が地を取り、白番の一力棋聖が厚みを作る碁形で始まる。黒の左下カカリから連動して中央の黒が動き、戦いとなる。互いに石を分断し、難解な攻防が続き、白は右辺で治まり、黒は下辺に根拠を持つ。このワカレで白が少し打ちやすくなる。その勢いで白は右上で動き出し、さらに左上に手を付け、複雑な局面に導く。終盤、勝負は残された大場の左辺の攻防に移り、白は左辺の黒を取り込み、黒は中央の白を取るフリカワリとなり、形勢は変わらない。だが、ヨセに入って少しずつ黒が追い上げ、ついに白は差し切られた。
(河北新報囲碁記者 田中章)
[一力遼棋聖の話]いろいろ難しい碁だった。見えていなかった手もあり、分かっていなかった。次は内容のいい碁を打ちたい。 [井山裕太本因坊の話]最初に仕掛けたのがやり過ぎでずっと苦しいと思っていた。(中央の白を)取り込んだあたりで勝負形になった。
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