田中伸幸
タナカノブユキ
Tanaka Nobuyuki
1991年1月20日生れ

福岡県出身
日本棋院関西総本部所属。冬季棋士採用試験合格。2013年4月1日入段。2015年1月1日二段(賞金ランクで昇段)。2017年2月1日三段(賞金ランクで昇段)。2018年1月1日四段(賞金ランクで昇段)。
棋風:
渾名:
2013年12月31日現在通算成績=4勝5敗
2014年23歳??勝??敗通算???勝??敗
2013年22歳4勝5敗通算4勝5敗2013年4月1日入段。

日本棋院の情報
【立命館大学学園通信(2013年1月号)】
個人では、全日本囲碁学生十傑戦、全日本学生囲碁王座戦、全日本学生本因坊決定戦の3 大タイトル、団体でも全日本大学囲碁選手権(団体戦)のタイトル獲得に貢献するなど、学生の中でも屈指の成績を残し続けてきた田中さん。4月からは、プロ棋士としての活動が始まる。
田中さんが囲碁を始めたのは小学5 年生。囲碁をテーマにしたアニメ「ヒカルの碁」をきっかけに興味を持ち、近所の碁会所に通い始めた。中学校、高校でも全国トップレベルの活躍を続けていたが、クラブなどの団体には所属せず、インターネットを通じた対局など独学で活動していた。そのため、経験や知識の不足が否めず、大学進学にあたっては、全国で一・二を争う強豪であり、同世代と競い合い、先輩から学ぶことができる環境が整っていた立命館大学への進学を決めた。
囲碁研究部の活動は、平日3 時間から4 時間。日々、対局と戦術の検討、研究を重ねていく。囲碁では、様々な局面で取り得る選択肢は無数にあり、誰も考えたこともない新たな戦術を編み出すことができる。「実力を伸ばすには、まず練習の量が必要です」と田中さんが答えるように、ライバルでもある先輩・後輩と競い合うことのできる環境で多くの練習量をこなし、自分では気付かなかった多角的な視点を学ぶことで、着実に自分の中で戦術の引き出しを増やしていった。
さらに田中さんの囲碁に対する考え方に大きな影響を与えたのは、囲碁研究部で毎年実施している韓国・中国合宿だった。日本との大きな違いは、韓国や中国では、全てにおいて勝つことへの意識が徹底されていること。持ち時間の使い方や戦術など、かたちにこだわらず強引にでも勝ちに行く。芸術的に、綺麗に勝つことを好む傾向があると言われている日本とは大きな違いがあった。しかし、田中さんはこうした勝ちにこだわる囲碁に触れたことが、逆に勝ちを意識しすぎるのではなく、自由な発想で実力を発揮することができる「楽しむ」ことを大切にした囲碁への確信を深めるきっかけとなった。
プロ棋士への挑戦を決めたのは4 回生の6月。3 回生から、本気でタイトル獲得を狙ってより一層練習を重ねたことで、3 回生で全日本学生囲碁王座決定戦、4 回生で全日本学生本因坊決定戦のタイトルを獲得。自分自身でも実力が伸びていることを実感していたこともあり、思い切って棋士採用試験にチャレンジした。通常は14 歳までに日本棋院や関西棋院に院生として採用されてプロ棋士になることが一般的な中、本戦、予選と厳しい戦いを勝ち抜き、2012 年12月、見事プロ棋士の座を勝ち取った。
囲碁も勝負事である限り、勝つことが重要であることに変わりはない。しかし、「楽しんで勝ちたい。自由に打って勝ちたいと思っています。みんな同じパターンで勝っても面白くありません。打っているほうも、観ているほうも楽しむことができるプロ棋士を目指したいと思っています」と語ってくれたように、田中さんはあくまで囲碁を「楽しむ」姿勢でプロ棋士の世界でも頂点を狙っている。