Re: 関西棋院の入段制度 ( No.1 ) |
- 日時: 2006/06/17 08:04
- 名前: 囲碁データベース <igoigo@jcom.home.ne.jp>
- 【「月刊碁ワールド」2003年9月号 P87-88より】
関西棋院の入段制度と日本棋院の入段制度はかなり違っている。日本棋院では、院生上位者がオール互先(たがいせん)で総当りのリーグ戦を行い、毎年上位数名が入段する。一方、関西棋院では院生級位で初段格になって所定の成績を収めることで入段する。
関西棋院の院生は"級制度"になっていて、大体アマ5、6段で院生10級となる。院生同士で対戦し9、8、7級と上がっていき、1級の上に"初段格"がある。初段格になって12勝4敗の成績を収めると入段することができる。ただし院生手合は互先ではなくハンディ戦(1級差=コミ3目)。初段格と1級が打つ時は黒が2目半のコミを出す。このルールで初段格で12勝4敗の成績を出すということは、入段するには傑出した成績を残せということ。この制度は毎年上位何人が入段という仕組みではないので、入段者が数年間一人も出ないこともあれば、連続して何人も出ることもある。
2000年1月に入段した瀬戸大樹五段は、「僕が入段する前の3、4年間は入段してもおかしくない実力のある人が複数おられたので、僕も12勝することが出来ず、数年間、入段者がゼロという状態が続きました」と入段当時を振り返る。「このときは院生師範が"この状態は好ましくない"との判断で、特別措置で院生上位5人の総当り、黒白1局ずつの計8局の入段リーグ戦を設けて下さり、6勝2敗で僕と孫英世さん(現プロ三段)が並び、プレーオフでようやく入段を決めました」と入段秘話を語っている。
日本棋院のシステムでは院生全体のレベルがどんなに低くても毎年数人のプロ棋士が誕生してしまうが、関西棋院のシステムでは抜きん出た実力を持っていないと入段が叶わない。関西棋院の入段制度は一面では合理的と言える。ただ上がスムーズに抜けてくれないと便秘状態を起こしてしまうという問題点もあり、一概に優劣を断じられるものではない。
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